近年狩猟がブームになりつつあります。
増えすぎた鳥獣 & 高齢化により猟師の需要が釣り合っておらず、政府主導となって猟師を増やしていく動きが活発化しており、
大学生が狩猟サークルをつくり活動する様子も目立ってきました。
さて、山に生息するシカやイノシシを獲るためには、きちんとした資格をとる必要があります。
ひとことで猟といっても、銃猟、わな猟、網猟などいろいろあるわけで。
狩猟免許は4つの種類に分けられています。
- 第一種銃猟免許 散弾銃、ライフル銃(エアライフル銃)
- 第二種銃猟免許 エアライフル銃
- わな猟免許
- 網猟免許
第一種銃猟免許を持つと、
第二種銃猟免許で取り扱えるエアライフル銃も使うことができます。
車の普通免許をとったら、
原付の運転免許も自動で取れるような感覚ですね。
この記事では第一種免許・わな猟を取得し、エアライフル銃(散弾銃)を使用して猟師になりたい人向けに流れを説明していきます。
なぜ第一種銃猟免許を優先するかというと。
散弾銃やライフル銃を持つ予定はなく第二種銃猟免許を取得したけど、
いざ猟を始めると銃の必要性が増し、
第一種銃猟免許を取得し直したという人が多いです。
試験の内容もほぼ変わりませんので、
よほどのこだわりがない限りは第1種銃猟免許を取得して間違いはないでしょう。
そしてわな猟。
大きなシカやイノシシを狩る際に、銃を使って倒す、、のもありですが。
銃のデメリットとして
- 使用できるエリアが限られている
- 誤射したら人が死ぬ可能性がある
- 維持費や購入費が高い
が挙げられます。
比較的安価な仕掛けで鳥獣を捕獲することができるわな猟は、近年人気です。
最後に、エアライフル銃。
エアライフルそのものは17世紀頃から存在していたんですが、散弾銃やライフル銃よりも性能が悪く、長らく日の目を見ていませんでした。
しかしここ最近でググッと技術が向上し、エアライフルが持つ特性(ランニングコストが安い、発射音が静か、メンテナンスが比較的安易)から、人気が出ています。
まずはエアライフル銃 & わな猟で狩猟、必要だと思ったら散弾銃の所持を考える。
この流れが、これからの主流になるのでないかと考えています。
それでは、なるべくわかりやすくまとめていきますね。
猟師になるには?コスト費用一覧表
コストを抑えると約20万円で、第一種銃猟 & わな猟免許を取得し、
エアライフルを所持することができます。
それではさっそく、猟師になるためのコスト一覧を見ていきましょう。
狩猟免許取得の費用について
引用:環境省_知っておくべきこと[狩猟の魅力まるわかりフォーラム]
この図は、銃やわな猟免許を所持して猟をするためにいくらかかるかを概算で出したものです。
銃猟 + わな猟のように同時に2つの免許を取得する場合は、
1つプラスする毎に5,200円上乗せされます。
第一種銃猟免許とわな猟免許を取り、
エアライフルを所持するには約75,000円かかる計算になりますね。
そしてあなたの相棒となるエアライフル銃。
新品は20万〜、中古は10万〜といった目安を持つといいでしょう。
散弾銃は比較的安く、中古は5万〜の感覚でいいと思います。
中にはスコープ付きで50,000〜というものもあります。
さらにエアーライフルのペレット弾、交通費やその他器具、衣類の消耗品を含めると、
安く抑えて20万がエアーライフル & わな猟師になるための妥当なコスト。
散弾銃を選択するとエアーライフルより銃の本体価格が抑えられますが、
射撃教習で4万円ほど持っていかれる & 散弾がペレット弾に比べ高いので、
同じく20万前後だと思ってもらって良いでしょう。
狩猟免許取得から銃所持までの流れ
銃を所持して猟師になるには、
約20万の費用がかかることがわかりました。
ここで質問です。
第1種銃猟免許を持っていると、
銃の所持までできると思っていませんか?
”銃を所持すること”と”銃を用いて猟をすること”は違う点について、
説明していきますね。
- 狩猟免許→猟をするための許可【行政】
- 銃所持→銃を所持するための許可【警察署】
銃を所持するために必要なステップ
日本では銃刀法という法律があり、簡単に銃や刀を手元に置くことは許されていません。
銃を合法で所持するためには、警察署へ足を運ぶ必要があります。
銃を所持するために必要なステップは、
- 猟銃等初心者講習会を受ける
- 教習資格認定申請を提出(エアライフル銃の場合は不要)
- 射撃教習を受ける(エアライフル銃の場合は不要)
- 銃・ガンロッカーの購入
- 猟銃・エアライフル銃の所持許可申請を提出
- 猟銃・エアライフル銃の所持許可証交付を受け取る
- 銃の引き取り
- 銃の確認
以上8つの流れを経て銃を所持することができます。
エアライフル銃を所持する場合、2と3のステップは省略することが可能です。
申請の許可が降りるまで待ったり、
書類を準備するなどの雑務が多いので、
最終的に銃を受け取るまでには3〜4ヶ月かかると見込んでおきましょう。
ファーストステップとしては、あなたが住む地域の警察署へ電話をして、
「狩猟目的で、猟銃等初心者講習会を受けたいんですけど…」
と話すところからです。
講習会の申請を済ませると、警察から
こんな資料が送られてきます。
きちんと勉強してテストを受けないと、次のステップに進めません。
試験制度が改定され、
テスト内容が50問の○×式、正答率90%以上(45問以上)通過のみ合格となっています。
ぼくも実際に試験を受けましたが、ややこしいひっかけ問題が多いんですよね。
十分に勉強してから講習会に行かれてください。
試験対策についての記事を書いてますので、参考にどうぞ。
試験合格後も、警察による身辺調査や手続き、医師の診断書作成などやることは山積みです。
計画的にパパッと予定を立て、効率よく銃所持までのプロセスをこなしていきたいですね。
ここまでが銃を所持するために必要な過程です。
銃を用いて猟をするために必要なステップ
それでは、銃を用いて猟をするためのプロセスをみていきましょう。
- 狩猟免許予備講習を受ける
- 狩猟免許を取得する
- 狩猟者登録を申請する
以上をクリアしたら、あなたも晴れてハンター猟師としてのスタートラインに立つことができます。
ここで申し込みをする申請先は、猟友会 & 自治体です。
狩猟免許予備講習
ネットではこの狩猟免許予備講習が、
銃所持のための猟銃等初心者講習とごちゃ混ぜになってわかりにくくなっています。
え?どっち?…んん?あーもうようわからん!!
…僕はそうなったんですけど、あなたはどうでしたか?
狩猟免許予備講習を行っているのは、猟友会です。
猟銃等初心者講習を行っているのは、警察署です。
はい、進めます。
狩猟免許をそのまま受けても実はいいんですけど、
免許を取得する人のほとんどが、狩猟免許予備講習を受けています。
そして自治体の猟友会によって、価格がピンキリなんです。
- 奈良県→70名まで無料
- 東京都→10,000円
※2017年調べ
ええええええええええ!!!
何それ。
実はこの猟友会、組織図がこのようになっていまして。
…なっているのに、なぜ価格がピンキリ??
うーん、闇が見えますねー。
狩猟免許
免許1種類につき5,200円、2種類なら10,400円です。
狩猟免許予備講習時に猟友会が代行で申請手続きをしてくれるとか、なんとか。
あなた自身で申請する場合は、
各自治体に問い合わせて確認してください。
試験は年に1回や2回。
主に狩猟期間前の9月に実施しているところが多いですね。
試験内容は、
- 知識試験
制限時間90分:正答率70%以上 - 適性試験
視力、聴力、運動能力について - 技能試験鳥獣判別、猟具の取り扱い、目測
以上の3つに分けられて行われます。
狩猟免許予備講習で配布されるテキストを、よく勉強しておくと良いでしょう。
狩猟者登録
ラストステップ!
狩猟免許を取得して、、狩猟者登録を済ませれば、猟場に出て狩りをすることができます。
- 狩猟者登録申請書
- 狩猟免許
- 写真
- 登録手数料・狩猟税
- 損害賠償能力
これらを準備して、あなたが住む自治体の役所へ向かいましょう。
損害賠償能力には、「3000万以上の賠償能力があること」を証明するものが必要。
これには猟友会のハンター保険に加入するのが無難です。
3000万以上の株式を所持している人は、それを見せつけましょう。
もし猟友会の人間関係が気に入らず、他のハンター保険を探すならば。
同じような仲間を探して、”団体”として保険会社のハンター保険に加入する方法があります。(現在個人向けのハンター保険は取り扱われていません)
そして、ハンター保険を取り扱っている保険会社によって”団体”の定義が曖昧みたいで。
10人やら、25人で申し込みが可能とのこと。
猟友会とは別の組織を立ち上げるのも、悪くはなさそうですね。
これはそのうち気が乗ったら動き出そうかなぁ。
地区の猟友会がいい感じだったら問題ないしね。
気になる方は一度Webサイトをのぞいてみてください。
参考:環境省_狩猟免許を取得する[狩猟の魅力まるわかりフォーラム]
参考:大日本猟友会「山と森を愛するレンジャー達へ」 【HOME】 狩猟,レンジャー,銃,アウトドア,鳥獣,大日本猟友会
具体的なアクションの起こし方
猟師になるコストは最低どれくらいかかるのか、
そして銃の所持と狩猟免許の取得について話してきました。
では、実際に行動を起こすとしたらどこから手をつければ良いのでしょうか。
あなたが猟師になりたい!と思った時期にもよりますが、
狩猟免許を取得できるのはだいたいが9月10月。(住民票がある自治体に確認してください)
銃を所持するまでには時間がかかり、
狩猟免許をとってから銃の許可証取得を始めると、
それはそれは悶々とした日々をすごすでしょう。
猟銃・エアライフル銃の所持許可証の取得→狩猟免許の取得
この流れが一番良さそうです。
とにもかくにも、
まずは地元の警察署と自治体に電話を入れ、
講習日や狩猟免許試験の日程を把握するところからですね。
検討を祈っています。
それではまた!